リトグラフ(lithograph,lithography)は版画の一種で平版画にあたります。
水と油の反発作用を利用した版種で、制作過程は「描画」「製版」「刷り」の3工程あります。
製版までに色々な溶剤を使うので、複雑で時間もかかりますが平版ゆえ圧が軽くてすみ、トナーや朱墨など油性分のある液体の表現、これらを描画そのままに紙に刷りとることができます。
多色刷りも可能で、版を重ねるにつれて艶を有した独特の質感とインクの物質感がうまれるのです。
19世紀の初めドイツのゼネフェルダーにより原理が発見され、以降ヨーロッパでは画家の版画といわれ、ロートレック、シャガール、ピカソ等画家達がこの技法を用いています。
リトグラフのリトには石という意味があり以前は巨大な石(石灰岩)に描いていたため石版画(石版印刷術、リトグラフィ)とも呼ばれています。 近年では扱いやすいアルミ版で多く制作しています。
ちなみに、新聞紙、広告、雑誌、本やパンフレットなど広く一般に使われている印刷業界で、現在の主法となっているオフセット印刷はこの原理を応用したものです。
また、アルミ版の代わりに木を使った[木版リトグラフ]という技法もあります。
足踏みプレスでプレス機の代わりに刷ることで、子供のワークッショップや生涯学習で難しい工程なしに誰でも簡単に木版リトグラフを制作することができるのです。