名平 邦彦

Kunihiko Nahira

名平邦彦

 新宿駅は乗り換え駅である。京王線で来た人がJRに乗り換える。中央線で来て山手線に乗り換えてみたりする。
人々がすれ違って合流して交差して分岐するのが乗り換え駅というものである。
私は北海道の港町から「油画線」で一人旅をしてきて、池袋あたりで「HANGAEXPRESS」に乗り換えた。
「HANGAEXPRESS」に他の24人の乗客とともに揺られて3年、今は新宿へ向かっている。

「どこから来てどこへ行くのか」
  これは一人で居る時に考えることが多い事なのだが、今は「HANGAEXPRESS」の乗客全員が考えている。
新宿に着いたらそこは乗り換え駅だ。3年ともに過ごした乗客達の分岐点が見えてくる。
だから乗客達は皆手荷物を、次なる行き先を確認しあう。
  車窓から何を見てきたのか。揺られて何を思ってきたのか。そしてこれからどんな路線を行くのか。

 この展示は25人が出しあった過去と現在と未来だ。

 

 

1986 北海道生まれ
2008 多摩美術大学版画科3年在籍

グループ展
2005「どぴかーんやなぎまち」柳町 香川県 
2006 「ju nu sais pas ?」展、多摩美術大学内、八王子、東京
2009 「HANGA EXPRESS」新宿プロムナード、新宿、東京


 

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