小倉 綾乃
Ayano Kokura
気象、空気、水、情報、雪、雲、自然のさまざまな現象のことをいいfluid、流動体としてのアートということができます。
それらは刻々と変化し、可視/不可視、非物質の境界が常に変化していて、
現象や形態は関係によって形成されます。予測不可能な側面を持ち、
眺望がきかず人間がコントロールしきれない部分があります。
しかし、それらは実は人間の身体や思考においても起こっていることらしいのです。
情報の流れ、転移、ずれ、変形など創造的契機において、
各自の能動的体験(一人称的)知覚の変容についてもfluidということができます。
予測不可能な側面を持ち、私の意思とは無関係に変容していくという点で、
私は、ある意味自分にとって版画の『刷る』という行為がfluidにあたるのではないかと考えました。
版画の刷る前のイメージと刷った後のイメージがプレス機を通してどんどん変化していく。
この瞬間流動体としてのアートに成り得るのではないかと思いこの作品を作りました。
1985 長野県生まれ
2008 多摩美術大学版画科3年在籍
グループ展
2006 「醜女雨林」展、多摩美術大学内、八王子、東京
2008 「12本のCord」展、多摩美術大学、情報デザイン棟・芸術学棟ギャラリー、東京
2008 「12本のCord」展、ギャラリーQ、銀座、東京
2009 「HANGA EXPRESS」新宿プロムナード、新宿、東京